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わが家のそばに、常磐線の踏切がある。車両進入禁止である。夕方、愛犬を連れた散歩人が渡る。ときどき、馬も渡る。
踏切で、自転車の集団とよく出会う。小高工業高校生たちだ。彼ら・彼女らは、踏切脇の日通倉庫の仮校舎で、いまも実習している。
原発事故のため、常磐線はいまも不通である。震災後ずっと、踏切は「閉まらずの踏切」である。
その踏切が、突然に鳴り始めた。
「踏切が鳴っている!」
家から飛び出し、庭仕事をしていた妻に声を掛けた。とっさに、妻が踏切へ向かい走り出した。私も、すぐ後を追った。
来月、原ノ町〜小高間の運転が再開する。再開に向けて、列車の試運転が始まった。
警笛を鳴らしながら、試運転列車が通り過ぎる。朝ドラのワンシーンを思い出す。三陸鉄道の試運転列車が、思い切り警笛を鳴らしながら走る姿だ。「羨ましいね」と洩らした姿だ。
「確かに、踏切が鳴っていたよな」
「確かに、列車が通ったよな」
「(うん)確かに・・・・」
踏切が鳴り、列車が通った。
ただそれだけのことであった。
踏切が鳴り、列車が通る。
ただそれだけのことである。
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(ピカイチ先生) |
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