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小学生のときの話である。
一年ぶりに、[カタ屋]さんがやって来た。また多くの仲間が集まった。
[カタ屋]さんが、前と同じ人かはわからない。陳列された[型]は変わり、以前欲しかった[型]はない。だが、ゲームのルールは同じだった。僕たちは、再びポイントを集め始めた。
学校での会話も、再開した。
「オレ、去年のポイントが残っている」
「オレも!」
「きっと、(いまも)使えるよな?」
仲間の一人が、去年のポイント券を[カタ屋]さんへ持ち込んだ。同行した僕たちは、[カタ屋]さんを取り囲む。
「このポイント券は、使えないよ」
「ウチ(当店)のポイント券ではないからね」
「ほら、ポイント(はんこで押された数字)の色が違う」
僕たちは、一斉に溜息をついた。だがすぐに、古いポイント券を捨て、新しいポイント券を集め始めた。
ポイントが貯まるにつれ、学校での会話にも熱が入った。
「そろそろ、[カタ屋]さん消えるのでは?」
「オレも、そう想う」
「オレも!」
「みんなのポイントを合わせて、順番に[型]へ交換しないか?」
「それはいい(考えだ)」
「オレも、仲間に入る!」
その日の放課後、仲間の一人が高ポイントの大きな[型]を手に入れた。[カタ屋]さんは、ゆっくりと僕たちを見まわしながら、やさしく尋ねた。
「みんなのポイントを集めたのだね?」
僕たちは、一斉にうなずいた。[カタ屋]さんは、もう一度静かに僕たちを見まわした。見守るような、どこか暖かい視線であった。
次の日から、[カタ屋]さんは来なくなった。
次の年も、次の次の年も、[カタ屋]さんは来なかった。
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(ピカイチ先生) |
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