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小学生のときの話である。
僕たちは、地元の神社の縁日へ行った。お好み焼きを買い、人混みを避け、境内の隅にしゃがみこんだ。お好み焼きを食べながら、次に行く店を話し合った。
「オレ、金魚すくいの[すくい放題]をしたい」
「20円では、一匹しかもらえない」
「50円では、すくっただけもらえる」
「(よし)[すくい放題]をやりに行こう」
僕たちは、金魚すくいの店先にしゃがみこんだ。小さな露店は、僕たちが独占した。
「(よし)最初にオレがやる」
「すくい放題! お願いします」
言い出しっぺの仲間が先陣を切り、50円玉を店主に渡した。
初めてのことに挑戦するとき、僕たちには暗黙のルールがあった。皆が一斉にやらずに、一人ずつやることだ。様子を観察し、確認しながら、次へ進むことだ。
ここで、想定外のことが起きた。店主が、紙製のポイが詰まった箱の下にある缶を取り出した。蓋を開け、モナカ製のポイを先陣へ手渡した。
「(やばい!)」 とっさに、僕たちは顔を見合わせた。
仲間が順番に、店主を問い詰めた。だが、店主の方が、一枚も二枚も上手である。
「ポイは、紙製ではないの?(モナカ製のポイは嫌だ)」
「(ああ)すくい放題だと分かるようにね」
「なぜ、ポイを缶に入れてるの?(隠しているのはズルい)」
「(モナカは)湿気に弱いからね」
質問が途切れると、先陣がポイを水につけた。呆気なくモナカはへたり、一匹もすくえなかった。一匹金魚をもらうと、先陣が声を発した。
「さあ、次の店へ行くぞ!」
僕たちは、[すくい放題]をやめた、店を離れた。
僕たちは、当たり前に、[想定外]に遭遇した。
僕たちは、当たり前に、[想定外]に対応した。
僕たちは、当たり前に、[想定外]の中にいた。
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(ピカイチ先生) |
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